放射線原子

放射性崩壊

不安定な原子核が,放射線という粒子や電磁波を出しながら,自然に他の原子核に変化すること.

  • 放射能:自然に放射線を出す性質
  • 放射性物質:放射能を持つ物質
    • ウラン U\ce{U}
    • ラジウム Ra\ce{Ra}
    • 炭素 X14X2214C\ce{^{14}C}

α\alpha崩壊

α\alphaが放出されるため,質量数は4減り,原子番号は2減る

X90232X2902232ThX88228X2882228Ra+X24X2224He\ce{^{232}_{90}Th -> ^{228}_{88}Ra + ^{4}_{2}He}
  • α\alpha:高速のヘリウム原子核
    • 体積が大きいため透過力は弱く,紙一枚で遮断できる
    • 電離作用が最大

β\beta崩壊

原子核内の中性子が陽子と電子に変化し,その電子は高速で飛び出してくること.

β\beta崩壊が起こると,原子番号が1増え,質量数は変わらない.

X82210X2822210PbX83210X2832210Bi+eX+νˉ Xe\ce{^{210}_{82}Pb -> ^{210}_{83}Bi + e^{-} + \bar{\nu} _{e}}

(但し νˉ Xe\ce{ \bar{\nu} _{e} } は反電子ニュートリノ)

  • β\beta:高速の電子の流れ
    • 軽い金属板で遮断できる
    • 電離作用がある

γ\gamma崩壊

α\alpha崩壊・β\beta崩壊をした直後の原子核は通常,励起状態とよばれる高エネルギー状態のため不安定であり,余分なエネルギーを電磁波として放出して基底状態(安定した状態)に変わろうとする.

γ\gamma崩壊が起きても,原子番号も質量数も変わらない.

  • γ\gamma:波長が非常に短く,高エネルギーの電磁波
    • 透過力が強く,遮断するには厚い鉛の板やコンクリートが必要
    • 電離作用は弱い

電離作用(イオン化作用)

  • 放射線が原子や分子に当たった時に,強いエネルギーのため電子が弾き飛ばされる現象.
  • 電子を失った元の原子は,正に帯電
  • 弾き飛ばされた電子は,他の原子を負に帯電させる場合がある

単位

概要単位詳細
放射能の強さBq・ベクレル原子核が毎秒1個の割合で崩壊する放射能の強さが1Bq
吸収線量Gy・グレイ物質1kgあたりに放射線が吸収される際のエネルギーが1Jであるとき1Gy
等価線量Sv・シーベルト吸収線量に,放射線の種類などによる人体への影響の違いを考慮した係数をかけた量
実効線量Sv・シーベルト等価線量に,組織別人体への違いを考慮した係数をかけ,足し合わせた量